#181 ANSNAM Duffel Coat

Oct 25, 2020



先日のブログに挙げたお二方、パタンナーさんと極厚のカシミアによる、

ダッフルコートを作りました。

取り掛かる前から、すでに明確なイメージがあり、それをパタンナーさんに伝える。

決してボリューミーではないが、タイトフィットでもなく、中庸でいて、

かつモダーンでエレガント。

一番に難しい。

パタンナーさんとの阿吽(アウン)、お互いの感覚、筆先の落としどころと、払いどころと。

かなりの微調整を繰り返しつつ、結果、いいものになった(はず。個人的には最強です)。

ほんの少し肩線を落としているけど、これは決してカジュアルではなく、

それはゆとりのニュアンスの範囲内に留めてて。

その代わり、ストームパッチは肩までにして、落ち着きと緊張を持たせました。

フードの首元付近には、当て布をたたき、

膨らみのある立体感が出せるよう、柔らかく立ち上げました。

イギリス海軍や漁師たちの初期のそれをベースにしつつ、

現代では装飾的要素になったディテールは削り、さらにアイビー臭を除きつつも、

こだわってます感(笑)を出すために、細部に細心の注意を払いました。


大きな水牛のホーントグルを採用し、高級感を出しつつ、粗めの麻縄でカジュアルダウン。

(そういえば、最近のAVで「君の縄」っていう作品があるらしい。

きっとあの赤い紐を使うんだろう。このタイトル考えた人、天才すぎるよ。。。)

あ、で、あとは、さんざん初期ダッフルをリスペクトしつつも、それを蹂躪するかのように、

身頃は総裏仕立て。しかも片側に内ポケット付けた。

だって、ゴワつくじゃん。だって、便利じゃん。

そして、トグルだけだと寒いから、右前端にファスナー付けた。

だって、風入ってくるじゃん。

あとは、チョー大切なバランス感。ここはさ、ほら、

ご来店の際に、しっかりお客様の身長などバランス見ながら、一緒に決めましょう。

生地は、例の極厚カシミアもありますし、

うちが初期からずっと使ってるタスマニアウールのダブルメルトンもございます。

他にも、ジャコブツイードなども使えますし。

先日届いた、この極厚カシミアのナチュラルベージュグレー、

これはまさに、初期ダッフルコートのイメージで作るのもたまらないでしょう。


今回のダッフルコート、サイモン&ガーファンクルをイメージしてデザイン展開しました。

で、このブログに載せようと、彼らのダッフルコートの写真探したけど、

一切ないの(笑)

俺の勝手な想像だったみたい。

けど、なんかその雰囲気伝われば嬉しい。

てかさ、この音源、コンサートの時に初お披露目した時のやつっぽいんだけど、
「え〜と、それでは新曲を歌いますね」
って感じで、突然こんなの聴かされたら、茫然と自失しちゃうよね。

価格:カシミア¥330,000~   タスマニアダブルメルトン¥150,000~
色:カシミア黒、ナチュラルグレーベージュ  タスマニア黒、濃紺、キャメル
納期:年内
通販可能。生地サンプルの送付は有料になります。(カシミアの生地はめっちゃ小さいです)

ちなみに、僕が着てるのは01サイズです。