先日のブログに挙げたお二方、パタンナーさんと極厚のカシミアによる、
ダッフルコートを作りました。
取り掛かる前から、すでに明確なイメージがあり、それをパタンナーさんに伝える。
決してボリューミーではないが、タイトフィットでもなく、中庸でいて、
かつモダーンでエレガント。
一番に難しい。
パタンナーさんとの阿吽(アウン)、お互いの感覚、筆先の落としどころと、払いどころと。
かなりの微調整を繰り返しつつ、結果、いいものになった(はず。個人的には最強です)。
ほんの少し肩線を落としているけど、これは決してカジュアルではなく、
それはゆとりのニュアンスの範囲内に留めてて。
その代わり、ストームパッチは肩までにして、落ち着きと緊張を持たせました。
フードの首元付近には、当て布をたたき、
膨らみのある立体感が出せるよう、柔らかく立ち上げました。
イギリス海軍や漁師たちの初期のそれをベースにしつつ、
現代では装飾的要素になったディテールは削り、さらにアイビー臭を除きつつも、
こだわってます感(笑)を出すために、細部に細心の注意を払いました。
大きな水牛のホーントグルを採用し、高級感を出しつつ、粗めの麻縄でカジュアルダウン。
(そういえば、最近のAVで「君の縄」っていう作品があるらしい。
きっとあの赤い紐を使うんだろう。このタイトル考えた人、天才すぎるよ。。。)
あ、で、あとは、さんざん初期ダッフルをリスペクトしつつも、それを蹂躪するかのように、
身頃は総裏仕立て。しかも片側に内ポケット付けた。
だって、ゴワつくじゃん。だって、便利じゃん。
そして、トグルだけだと寒いから、右前端にファスナー付けた。
だって、風入ってくるじゃん。
あとは、チョー大切なバランス感。ここはさ、ほら、
ご来店の際に、しっかりお客様の身長などバランス見ながら、一緒に決めましょう。
生地は、例の極厚カシミアもありますし、
うちが初期からずっと使ってるタスマニアウールのダブルメルトンもございます。
他にも、ジャコブツイードなども使えますし。
先日届いた、この極厚カシミアのナチュラルベージュグレー、
これはまさに、初期ダッフルコートのイメージで作るのもたまらないでしょう。
今回のダッフルコート、サイモン&ガーファンクルをイメージしてデザイン展開しました。
で、このブログに載せようと、彼らのダッフルコートの写真探したけど、
一切ないの(笑)
俺の勝手な想像だったみたい。
けど、なんかその雰囲気伝われば嬉しい。