#160 ANSNAM Modelist Leather riders jacket オーダー会

Jul 21, 2019

フィレンツェにいます。今日は久しぶりの休日で、特に予定を入れずに今、ビールが冷えるのを待ちながらこのブログを書いてます。
なかなかにこの旅行中は忙しく、あっという間に1週間が経ってしまった。

さて先日の、パリでの仮縫いについて。


彼にレザーライダースの提案をし、着手し始めたのは去年かな。そこから気が付けば季節が変わり、年を越え、いつの間にやら夏になり、やっとの事でパリに来た。今回の旅の、最大の目的と言っていい。
間もなく人生の半分を越える、パリ在住ほぼ20年のパタンナーTS氏との今回の共作。シングルとダブルのライダース2着。某レザーブランドに籍置く彼に、ついにレザーを依頼した。目指した着地点は、そう、またしても難しい注文だったと思う。
メゾンのエレガンスでもなく、モードな街着レザーでもなく且つ、リアルガチのライダースでも、ヴィンテージのコピーでもないけれど、モーターサイクルのロマンの匂いを残す。
絶対的な妙を極めたギリギリの線を引かなきゃならないわけ。こんなの、彼に頼むしかないじゃん。

多分ね、彼はこの仮縫いめっちゃ楽しみに待ってくれてた。そりゃそーだわね。ゴメンね。俺もこの3ヶ月くらいほんと大変だったんだからぁ。ま、その話はまたいつか。

通常、仮縫いってシーチングだったり、本番に似寄りの安価な生地で作るものなんだけど、今回はその絶妙なバランスを表現しなきゃならないから、使ったよね。
GUIDI&ROZZELINIのベイビーカーフ。はい。
でさ、いざ、その渾身のサンプルを、彼に見せたわけ。試着し、すごい真面目な顔して鏡見てるんだけど、見逃さないよね、彼の口元が軽くニヤけたの。それ漏れてるよって(笑)
彼のいるメゾンは確かに世界最強のクオリティを誇る。彼の引く線(描く立体)も繊細で上品だ。そんな彼の線に対して、ウチの価値観をぶつける。そして、ウチの職人さんの運針(少し粗め)の縫製で仕立てる。
そしてここに、他にはない、新しい表情のアイテムがまた生まれる。
我ながらドン引きするほどのサンプル費用と手間をかけたが、それは成功だった。雰囲気を感じながらに、二人で話し込み、微調整を行なった。大きな変更がないのは、僕たちの疎通ができているからこその賜物で、なんというか、本当に僕は出会いの恵みの元に産まれている。
マスターパターンを預け、型紙を修正してもらう。その間に僕はヨーロッパ各地でレザーを探す。そして10日後、帰国日の朝、パリはヤンのカフェで落ち合い、博満、パターンを受け取り、僕はそのまま空港へ。という段取り。

すでにフランスとイギリスで新しいレザーと出会えたし、さらに来週、イタリアのレザーの産地、サンタクローチェまで足を伸ばそうかなと。
ひょっとするとグイディ以上にいい革なんて見つからないかも、と出国前に思ってたけれど、今、帰りの飛行機の荷重オーバーが気になってるくらいなのだから、やはり探しに来てよかった。
職人さんが間に合えば、その新しい別のレザーでまたサンプル作ろうと思うけど、どうだろう、多分ギリギリ。

この写真のサンプルは、ディテール少なめにしてるけど、今回のオーダー会はいつものように細かく採寸して、細かいデザイン変更も可能です(主義的に断るデザインもあるので、ご容赦ください)。
僕とTS氏のいる8月3日、4日。三者一緒にダラっとおしゃべりしながらライダースを作り上げていきます。

ANSNAM Modelist Leather Riders Jacket
価格:32万円〜 税抜き
サイズ:採寸
納期:年内
*オーダーご希望の方はメールにてアポイントお願いします。
 さて、白ワインも冷えたので(ビールはもう、飲みながら書いてた笑)、今からやります。生ハム&メロン。逝って参ります。