あのハネムーン写真を超えられるかわからないけど、深い黒みを目指して。
時は少し遡ること、この前の大阪のイベント帰り。僕は京都に寄っていた。
梅田から、かわいい阪急電車に乗って京都に向かうのは初めて。電車内の雰囲気といい、車窓風景といい、ほんわかした感じがとてもよかった。事前に買っておいた梅田阪急デパ地下限定、仙太郎の黒豆おはぎを頬張りながら、コトコト揺られて。黒豆おはぎ、美味しい。これ東京でも売ってよ仙ちゃん。
平野さんとの熱い夜を過ごした僕は寝不足で、ウトウトとしているうちに京都に着いた。二条城近く、住宅地の中にそこはあった。
目指した先は、黒染め職人の馬場さんとこ。
黒。オンリーロンリー黒ーリー。
京都という土地柄だからか、黒の専門染色。全国から何百反、何千反という生地がここに集まったという。この方はそこの5代目柊屋新七こと馬場さん。土日に一人、社内の奥の染色場にて手染めをしているという。長い期間を経て、編み出されたその黒の染色法。敷地内にある井戸から汲み上げてきた水(京都の有名料亭などで使われているらしく、この時もわざわざ使いっぱ君が汲みに来ていた)を使い、一枚一枚を染めてゆく。その黒は確かに風合い豊かで、独特の強さを持っていた。
さもストイックな、アルチザンなお人なんだろうと、僕は緊張気味に訪問したのだが、真逆。ベシャリが止まらない。しかもこの黒染め使って、アニメとかいろんなチャラめのコラボとかしてんの。テレビの情報番組の取材とか、めっちゃ受けてるの。サイン色紙とか自慢してくんの。
なんかほら、もっとこうさ、雰囲気で語りかけるような、ヨージヤマモトさんみたいなさ、そーゆーのかと思ってたんだけど。。。
でもさ、むしろこういう感じが好きよ、俺は。
わざわざANSNAMオリジナルで織ったリネン100%の生地を、この黒で染めてもらいました。あんまり日本にはないのよ、スカスカではなく、ゴリゴリでもない、シャトル織機でゆっくり織った少し厚みがあってコシのある生地。万能の肉感。シャツでもパンツでもジャケットでも。夏でも秋でも、仕様によっては冬もいける。
店にパンツのサンプルが掛かってます。それ見て、雰囲気掴んだら、一緒にアイテム考えましょう。実はGWにすでに出してて。生地の残り少なめです。
あと、お手持ちの服で、色に飽きちゃったり、色が褪せて悲しいなって時はここに送るといいですよ。というか、黒染めができるのって、もうここ位しかないっぽいし。黒に、色変えると生き返る。
カエルは楡野家の守り神やよ。(「半分、青い」より)
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