#108-2 COHÉRENCE 2018 Spring/Summer Event "Le Royal Cheese"

Feb 23, 2018

というわけで、「パルプフィクション」、名作。(もうみんなが観た前提で話を進めます。名シーンのyoutubeを取り上げてるので、もしまだ観てないなら再生しないでいい。とにかく早く観てね)
どのシーンを切り取ってもそこにあるのは、完璧な構図と、詩のように美しく謳われ翔び交うファッキンな台詞。そしてセンス抜群の小気味良い音楽とともに、役者たちのたゆたい踊るような演技。タラちゃんの最高傑作だし、映画史に残る超名作と言っていい。
この映画をタイムリーに、映画館(今はなき吉祥寺バウスシアター)で鑑賞できた靖少年は幸運だった。そして僕のその後の人生に、揺さぶりを掛けたターニングムービーとも言っていい。

さて、コヒーレンス。中込さんも公言するように、インスパイア源の一つにジャン=ピエール=メルヴィルなどのノワール映画が挙げられる。さらに、僕にはルイ=マルの「死刑台のエレベーター」や、オーソン=ウェルズの作品までもが想起される。世界のサルトリアルショップらが提言するように、コヒーレンスはクラシックなスタイリングが非常に似合うし、当時の時代のニュアンスが香る。その確立されたアイデンティティを以ってして、多くの人達に受け入れられているんだと思う。

果てさてでは何故、「パルプフィクション」なのかと。ファッキンファッキンと、お下劣な言葉を連呼するこのクソ映画に、コヒーレンスが通ずるとはこれ如何。

まず、この2018年春夏コレクションで僕が一番好きなアイテムは、シルクシアサッカーチェックのHENRIⅡだ。アンリ=マティスのショールカラーガウンとスモーキングジャケットをコンバインさせたアイテム。サイズ感はやや緩く、ドルマンスリーブがその雰囲気をさらに高めて、バランスがかなりいい。で、ガウンといえば、そう、登場人物の一人、エリック=ストルツ(メンフィス ベルの時の爽やかさ皆無なのが最高)が演じるランス。彼がガウンを着ている。あ、柄は違うんだけどなんか雰囲気がさ。腰にチェックシャツ巻いてるしさ。(しかしあのガウンの色は、今季の綿ギャバジンのピスタチオ色と通じている)
なので、夏のスタイリングはもちろん、マッハGo Go GoのクソTシャツと短パンとサンダルでいきたい。で、春はこの、中込さんのスタイリングを参考にしていただきたい。渋すぎる。
https://www.instagram.com/p/BVhJ5p8F81F/?taken-by=streetper
「ギブンナショッ!ギブンナショッ!」って響きが堪らんね。

さらに、これはこの前の秋冬なんだけど、MUTTのタイロッケンコート。この色とサイズ感。あれ絶対ユマ=サーマンが着てるヴィンセントのコートでしょう。
と、ここまで勝手な解釈で展開してきましたが、これら、中込さんに確認しました。元ネタは「パルプフィクション」ですねと。するとなんと、、、全く関係ないってさ(笑)

けれどここからが、彼という男の本領であり奥行きであり、教養の深さ、そして広さだ。「でも俺大好きなんだよ『パルプフィクション』。何なら今、ジュールスの殺しの前に唱えるエゼキエル書25章17節(実はこの内容は聖書上には存在せず、千葉真一の映画からのパクリ)を言おうか?」、、、え?暗誦できるの?!しかもトリビア付き!!「あと、ロワイヤルチーズのくだりもいけるけど。他にも飛び飛びだけど少々セリフ覚えてるよ」、、、まじすか!!

ほらね、やっぱり、繋がっている。


ちなみに、中込さんに張り合うつもりじゃないけど、僕は「レザボアドッグス」でティムロス演じるMr. ORANGEが撃たれて、車の後ろ座席で苦しみもがいてる時のモノマネが出来る。