#208 Sebastien Tarek ビスポークオーダー会

Apr 13, 2023

というわけで、2日後に迫りましたセバスチャン・タレクのビスポークオーダー会。

個人的にとても楽しみにしているのは、仮縫いの姿もそうなんですが、

納品、でございます。

僕のデスクの横には、この週末に納品されようとしている靴たち。

今はまだシューツリーを履いて佇んでいますが、

あらま、どういうことでしょう。

それまではセバスチャン・タレクの作品であり、タレクの魅力だったのですが、

そのお客さまが履いた瞬間に、まるで別の顔になるんです。

それぞれのお客さま自身の靴となり、同期というか共鳴していくというか、

さらに、生き生きと踊り始めるんです。

その瞬間のこの経験はもう、タレクと僕とそのお客さまだけのもの。

いや、それを本当に体感できるのはお客さま一人だけ。

まぁ、なんというか、

めちゃ楽しいですよ。

上記のものは、かなりのスペシャルオーダー。

ヌメのコードバンで仕立て上げてからのパティーヌ、というか

製品染め?製品塗り?

お客さまからヴァイオリンの写真を送って頂き、

その雰囲気をイメージして、色を作り上げるというリクエストだったのですが、

こういうオーダーってだいたいミスる。分かります?

なんか六本木風というか、チャラさというか、

表現の主張の強すぎて、バランスの悪い、嫌味なエグいものになりがち。

けれど、そこはセバスチャン・タレクなんです。それこそがタレクなんです。

全くのトガリがない。のに、強い。のに、上品。ずっと眺めていたい。。。

この実物、お客さまのお心遣いにより、日曜の夕方に納品の予定なので、

皆様にもご覧いただけます。

他のお客さまの靴もございますので、具体的な素材の参考になれば。

革の質感なんか、他のシューメイカーさんでは見たこともないようなものばかり。



ご来店、お待ちしております。