というわけで、2日後に迫りましたセバスチャン・タレクのビスポークオーダー会。
個人的にとても楽しみにしているのは、仮縫いの姿もそうなんですが、
納品、でございます。
僕のデスクの横には、この週末に納品されようとしている靴たち。
今はまだシューツリーを履いて佇んでいますが、
あらま、どういうことでしょう。
それまではセバスチャン・タレクの作品であり、タレクの魅力だったのですが、
そのお客さまが履いた瞬間に、まるで別の顔になるんです。
それぞれのお客さま自身の靴となり、同期というか共鳴していくというか、
さらに、生き生きと踊り始めるんです。
その瞬間のこの経験はもう、タレクと僕とそのお客さまだけのもの。
いや、それを本当に体感できるのはお客さま一人だけ。
まぁ、なんというか、
めちゃ楽しいですよ。
上記のものは、かなりのスペシャルオーダー。
ヌメのコードバンで仕立て上げてからのパティーヌ、というか
製品染め?製品塗り?
お客さまからヴァイオリンの写真を送って頂き、
その雰囲気をイメージして、色を作り上げるというリクエストだったのですが、
こういうオーダーってだいたいミスる。分かります?
なんか六本木風というか、チャラさというか、
表現の主張の強すぎて、バランスの悪い、嫌味なエグいものになりがち。
けれど、そこはセバスチャン・タレクなんです。それこそがタレクなんです。
全くのトガリがない。のに、強い。のに、上品。ずっと眺めていたい。。。
この実物、お客さまのお心遣いにより、日曜の夕方に納品の予定なので、
皆様にもご覧いただけます。
他のお客さまの靴もございますので、具体的な素材の参考になれば。
革の質感なんか、他のシューメイカーさんでは見たこともないようなものばかり。
ご来店、お待ちしております。