(前回からの続き)
というわけで、このヴェストを、カットソーやニットの上に、またはシャツの上に。
この感じはすでに街でもテレビでも見かける。がしかし、いいな、と思える着こなしをしている人は、いない。まず思い浮かぶは、DAIGOだ。なんとなくだ。(けどDAIGOは好きだ。優しいし、モノマネとかウケる)
ジャケットの下に合わせるもの、という概念がこのチョッキを無下に扱ってしまった要因だろうと思う。本当はこのウエストコート、そのサイズバランスがすごく難しいし、それ故に雰囲気作りも難しい。
定説の、ウエストベルトのバックル位置が前着丈、というものも、履くパンツによって全然異なるし、そもそも胴の長さは人それぞれ違う。体に近い分、上衣よりもサイジングに気を使わなければならないし、後ろから見た時に出る、インナーの隙間も気になるところ。
つまり、オーダーがヴェスト、いや、ベスト。オーダーが最良。
今回提案させていただくのは、単体で使えて、なおかつスーツの「差し」にもなるウエストコート。あえてスーツとは違う生地で。
生地の使用面積も少ないので、多少面白みのある生地で作るのがいい。
ちょうど最近、ストックの生地が見えやすいように、店の内装も替えたし。(ちょー頑張ったから、ちゃんといっぱい褒めて欲しい)
生地の中にはチーバくんセレクションもあります。
チーバくんは、娘ちゃんの成長とともに家庭での肩身が狭くなってきていて、今まで収集してきた膨大な生地コレクションの中から毎日1着分ずつ、家から店に運び入れている。
てか、どんだけ量あるんだろうと思う。僕が奥様ならとっくのとうにブチ切れてる。
それはともかく。それらヴィンテージの生地たちの風合いがすこぶる良い。打ち込みがいいから、ジャケットに仕立つと重みを感じる生地もある。けれど、ジレならば、いいアクセントになって丁度いい。
縫製も手を抜かず、昔ながらの丁寧に。衿ぐりにくせ取りを施す。ほんの少しの縫い目だけれど、それがあるとないとで、雰囲気違う。肩周りの手縫いもその雰囲気作りに加担している。ステッチ糸の配色一つにも気を使う。兎にも角にも、このチョッキ作りは、気も手も抜いてはいけない。
背中には、綿とシルクとラフマ(麻の一種)の生地を配すことで、懐古なアンティーク気分ではなく、現代の世界に引きずり戻す。
前述のように、すでに過去のものになりつつあるウエストコートだからこそ、無駄なものだからこそ、一手間も二手間も掛けた、嗜好品でなければいけないし、一個人に寄り添ったものでなければいけない。
上衣を羽織れば、時に誰の目にも留まらない。裏側の仕様など、もちろん誰が知る由も無い。これはたった自分だけが知るものだ。
夜更けに一人、盛り上がり、書いた恋文、恥ずかしき事この上無しだ。
実は、金曜夜遅くに一気に書き上げていた。けど、土曜の明け方に読み直したら、案の定、とんでもないものだったので、即、全削除。夜中に上げなくてよかった。。。(書き換えた今また0時を過ぎてしまったが)
中野靖を営み、苦節38年。夜中のラブレターほど酷いものはないと、身を以て、知っている。あれはカレーのように一晩、いや二晩くらい寝かすがいいに決まってる。今、この世のどこかにそれが存在しているとか、想像するだけで、焦燥に駆られる。捨てて欲しくはないけれど、読んで欲しくもありません、そんな乙女心。
そしてまさかの、乙女寮の同窓会。ちょー嬉しいっぺ。