#39 Bonfanti de Cange Civa

Jun 10, 2017


期間:来週末まで
価格:58,000円+税

この、Cange Civa。深い。
時にGoogleの社員かと思わんばかりの知識、時にザッカーバーグの手下かと思わんばかりのSNS探索、時に単なる古着屋のあんちゃん。そして時に、作業ノルマを達成しないままにコーヒーを飲もうとする私へ冷酷かつ重めの視線を飛ばす。


そんな彼がこんな本を持っていた。戦後間もない頃に発行された紳士服の教本だ。オークションで手に入れたらしいが、まず謎なのは、どうやってこの本に辿り着けたのか。そして、なぜ手に入れようとしたのか。私なんぞはこの手の本が大の苦手、スルーの極み。
しかし、昼休みなんかにふと彼を覗くと、楽しげにこの本を開いている。



今週月曜、イタリアからBonfantiの生地が届いた。当初、このシャツ生地は、CARLO RIVAとのコントラストを楽しんで頂くために、同型のスモックとワークシャツで展開する予定だった。が、荷を解き、封を開けて、手に触れた瞬間に、私はすぐにチーバくんの元へ駆け寄った。違うものを作ろう。

ほぼこの時同じくして、彼から提案を受けていた。この教本に則って、シャツを作ってみたい、ディテールも忠実に再現、と。

そしてまたほぼ時同じくして、私のトニー化である。「花様年華」は1960年代の香港が舞台だから、雰囲気が非常に近かった。影響受けまくりである。

で、出来上がったのがこのシャツ。今回は1型。
衿の角度と大きさ、ヨークの太さ、裾のカーブの入り型。なかなかのヤボさ。
そしてシャツ地の柄。ヤボい。
縫製は運針のピッチを細かく、丁寧に。しかし、芯は入れない。そして洗いをかける。
で、袖に手を通せばすぐにわかって頂ける。カルロリーバとはまた違う、まったく違う良さがあり、そしてそれはとても確実なものだと。



今回用意した生地はBonfntiの倉庫に眠っていたもの。120/2のスイス紡績GIZA45。ブロード組織のストライプ。6種類で生地残数に限りがあります。気になる方はお早めに。


ANSNAM ceder (アンスナム シダー)
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東京都港区白金台5-13-14 2階
定休日:火、水
営業時間:12〜19:00


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