#112 ANSNAM メジャーメントスーツ 事例

Mar 7, 2018

ANSNAMのビスポークスーツは、他のサルト達に比べると時に邪道とも思える。それがここ最近で、さらに際立ち、我ながら心地いい。目指すところにちゃんと歩を進めてる、というか、すでにそこには到達し、更に先の、今まで想像にもしていなかった未開の領域に進めている気がする。ん、え、、、そんな気がしてるだけ?えウソぉんっ?!

僕はいわゆる職人ではない。フィッティングはするけど、縫製はしないし、「ウチの形はこれだ、嫌んやら他当たってくれぃ」っていうような固有のシルエットがあるわけでもない。お客さんの好みや、作りたい雰囲気に合わせて、いかようにも形を変えていく。

若きサンローランの着ていたような生地が手に入れば、その時代風のフレンチに、少しブリティッシュ混ぜて。

漫画「ボーダー」に出てくる感じでやさぐれたイメージ、けど生地は少し自然な光沢があって、動いた時のドレープがきれいに出るように。

いやもう、ロック、黒の細身。

ヴィンテージの重みのある生地だけど、織り柄にニュアンスがあるから、ダブルなんだけど柔らかさがありつつフィットしてる感じ。
とかとか。


みんながそれぞれ好き勝手なことを思い浮かべたり、こちらからのイメージで形作ったり、深夜に急に心変わりしたり。この時間が楽しいわけ。言葉にしなくても大丈夫。映画とか、漫画、絵画、本からの描写だっていい。そのニュアンスから形を起こしていく。もうね、互いにいい加減でいい。
けれどこのセッションがあるからこその、ウチのビスポークだと思う。なんとなく、最終的に良い加減になって上手くいく。そして、ちゃんとしっかり弊社ANSNAMの匂いのあるスーツになってるから、我ながらに不思議。なんでだろ(笑)

 ちなむと、僕は髪を切ってもらう時のオーダーの仕方もこんなです。今の髪型は、スラムダンクの三井君(最後の試合ら辺)。以前のゆるふわパーマの時はボブ=ディラン。
さらに昔を遡るとあのロン毛、あれはニセ明。って違うわ!