#42 ANSNAM silly silk knit 続き

Jul 1, 2017

インド。大好きだ。
しかし、一概にインドといえど、その国土は大きくて、地方ごとに気候も違うし、話す言葉も違うし、文化も価値観も違う。ターバン巻いてる人は少数派だし、カレー食べてビックリしてる人なんていない。
そんな一括りにできない、多様性に富む国だが、敢えて言う。インド、大好き。

あの国、すごく頭のいい人が沢山いて、世界中で活躍しているそうだけれど、その倍、いやもっともっと、その10乗くらい、具合のいい人たちがいる。つぶらな瞳でかわいく笑う。その感じ、胸がキュンとしてギューっと苦しくなるの、たまらない。その適当加減が、はんぱない。

そんな人たちが紡いだシルク。蚕が吐いたそのままの、精錬してないバリバリの生シルクを紡いだ。化粧品っぽく良く言えば、「シルクプロテイン配合」。通常のシルクはそのバリバリの、シルクプロテインを剥がしてから糸にする。そうしなきゃ繊維同士が絡み合えないから。けどこれは、その工程を素飛ばして、無理やりに紡いでる。
実は数年前、富岡にある製糸工場が、長年の研究によって上記と同じ未精錬シルクの紡績に成功した。苦心の作。画期的と言ってよかった。シルクなのに、ガサついたツイードのよう。弊社でもその初めて目にする表情が面白くて、コレクションに使用させたもらったことがある。

そんな、日本人の真面目さと追求心が作り出した未精錬シルク糸。
それを、いとも容易く作り出したインド人。

でもこれは、日本のものとは別すぎて。いい加減がすぎて。様子がおかしい。
何の計算もない、いや、あるわけがない。多分シルクの特性とか、わかってないんじゃないかっていう。ただひたすらに、思い切りよく、無理やりに。紡いでしまった。というかグリグリねじった、そんなニュアンス。

だからこその迫力で、なんか悔しいけど、惹きつけられるのは確かで。

今までサンプルを作りながらも、発表しなかったのは、物性が怖かったから。抜群の不安定感。せめてもの思いで、甘撚りのウールと引き揃えて編み込んだが、それをせせら笑うかのように、激しく飛び出す未精錬。汚れなのか天然の色なのか、判断つかない謎めく色ムラ。ダマというには大きすぎる糸ムラ。

思い切って、クリーニング屋さんで普通に洗ってもらった。で、物性に問題なさそうだったので、出します。



もちろん編機に掛けられるわけもなく、手編み一択。
なので、いろんなアレンジ可能。
サンプルはちょっと小さいプルオーバーのみ。

受注期間:来週末まで。
価格:98,000円+税



ANSNAM cedar (アンスナム シダー)
108-0071
東京都港区白金台5-13-14 2階
定休日:火、水
営業時間:12〜19:00

tel: 03-6721-9192
info@ansnam.com



昨晩飲みすぎて、ブログのアップ遅くなってごめんなさい。
帰ってからやる、なんて、絶対無理だったんだ。