#38 僕とトニーとウォン=カーウァイ

Jun 9, 2017

トニーレオンに、俺はなるっ。


先週と今週、東急で行われたウォン=カーウァイのリバイバル上映。すでにTSUTAYA100円レンタルしてる作品ばかりだが、映画館上映だよ、行くよそりゃ。「恋する惑星」は残念ながら行けなかったが、他の三作品は仕事をサボ、、いや、忙しい合間を縫って、観劇に走った。「天使の涙」「ブエノスアイレス」。

そして「花様年華」。

この、トニー=レオンが最高すぎる。ポマードを引いた髪、紫煙の立ち籠める暗がり、モヘア混のスーツをまとった後ろ姿。哀愁だよ。一挙一動かっこいいの。上映中、身も心も震えたね。

クリストファー=ドイルのキャメラも素晴らしい。「天使の涙」の、手ブレた魚眼レンズも良かったけど、この「花様年華」は真逆で、定点的に撮ってて、もうすべてのシーンが西洋絵画的な構図で、とってもかっこいいわけ。後半から赤みが強くなるエフェクトも効いてる。あと、音楽もいいの。マギー=チャンが着ているチャイナドレスも超きれい。

と、いうわけで、近日、僕はトニー=レオンになります。パリッと糊のきいたシャツにネクタイ締めて、スーツを着ます。ポマードを引く程に髪は長くないから、そこはまだコンビニのギャツビーで。煙草も吸いたいけど、喘息になりそうだからパス。
そして、僕はこれから、突如急に哀愁を漂わせようとするけど、そこは気にせず、温かく見守ってくれれば幸いです。

あ、あと、トニーレオンといえば白ブリーフなんだけど、あれはさすがに無理。
ここ近年、用を足した後、ちゃんと思いっきり振ってるのに、納めてからジワっときてしまう。僕もそんなお年頃。これは哀愁ではなく、悲哀です。