#34 鉛筆「ボクとマークとクリストバル」

May 13, 2017

GW後半、イベントやるとか言いながら、諸事情により、ダラッと流してしまった。わざわざお越しいただいたお客様、申し訳ありませんでした。でまたそのほとぼり冷めやらぬ内に、また別の、離れたところで諸事情勃発。
で、この鉛筆を。苦しいよ、苦し紛れだよもちろん。


  

ここで話を1ヶ月前に戻そう。旅行の話が終わってなかったんだよ。





パリ最終日、4月2日、午前5時。サッと目を醒ます。結局、2週間以上いたのに、何と時差ボケは治らず仕舞い。というよりも、時差ボケを逆手にとった未明の、早朝の始発移動が多かったのだ。命を削るような、自己犠牲的体調変則コントロール、これがプロの仕事さ。

早速、ヴァンプの蚤の市。空のスーツケースに満杯の、アンティークのフレンチリネンシーツを回収。スーツケースの持ち手側面が曲がるほどの重量。(このリネンがこのGWで、皆様のお手元に渡っています。)

その後、3Rue de Archiveに移動し、仮縫いを行う。これについては、また後日の記述。仕事を済ませた後、その方と奥方と姫君の4人で北マレのおしゃれランチ。オゥ=ヴェントゥ。

その後、私は一人、メトロに乗り込み、住宅街の中にあるギャルリーを目指す。musée Bourdelleでの「BALENCIAGA, L'OEUVRE AU NOIR展。
Emile-Antoine Bourdelleさん(読めないや笑)の彫刻を展示したギャルリー。そこにクリストバル=バレンシアガの、黒だけに絞ったクチュール作品と合わせて、並列展示するというもの。
 

これが、ものすごく、よかった。
服を見て「ぁ〜…」と声にならない感嘆の吐息が漏れたのは初めて。軽く泣けた。なんかすごいの。
みんなも、パリに行く機会があったら行ってみ。
三回場所を変えてやるらしい。次はヴィクトル=ユーゴーんとこで、最後はガリエラ宮らしい。フランス人羨ましい。
私がパリジェンヌだったら絶対3回観るし。

そんな大感動に包まれながら、目を潤ませながら、ふわぁ〜と会場を後にしようとした瞬間、パッと目が合った。

私(え、嘘、、トゥンク)
マーク(ん、あれ?なんか目が合ったぞ)
私(あ、、わ、、。こんな所で?まさか、、、トゥンク)
マーク(えーっと、誰だっけ?!あ、来た、、、)
私「あのぉ、、、ウチ、あなたのめっちゃファンやねん♡」
アタシ(きゃ〜!言っちゃった!)
マーク「え!?あ、あぁ。ありがとう」
マーク(なんやねん!ただの一般人かいな!)
アタシ「あのぉ、、あのぉ、、、ウチ、洋服の仕事してんねん。だからきっといつか一緒に仕事できたら嬉しい思おてんねん、、、(照)」
マーク「お、おう。そうだね。。じゃ、じゃあ俺急いでるから行くわ」
アタシ「うん。頑張ってね♡」


彼の写真集を初めて見たのは、吉祥寺パルコ地下一階。今はなき、洋書logos。確か高校2年か3年だ。以来、彼の作品は私の血になり、肉になっている。高校生の時の自分に、この日の出来事を教えてあげたいよ、ほんとに。

 

で、そんな時にギャルリーのロビーで買ったバレンシアガの本。今回のこの展示のために作られたやつなんだけど、まだ日本に入ってないみたい。なかなかいい本だから、よかったら気軽に立ち読みしに来て。あ、一冊しかないよ。あげないよ。どうしても欲しい人いたら言って。今度行った時に買ってきてあげるから。

あと、レジ横にあった真っ黒な鉛筆。とっさに掴んだ5本。これ、この週末で何かご購入、もしくはご予約いただいたお客様、先着5名に差し上げます。
そんな週末。