#171 Fendart 私見

Mar 31, 2020

お待たせしました。以下、写真です。
一人ぼっちで自分の写真撮るのしんどかったので、マヌカンに着せました。
生地スワッチの受付の締め切りは今週末までとさせて頂きますね。随時お送りします。
そして、オーダーの締め切りは来週末となります。
みなさまお待ちしております。


スラックス
見よ、この美しき哉、シルエット。この今の、ドメブラリラックススタイル全盛期に於いて、ここまでも挑発的な形はあろうか。
股上を浅くまとめ、やや腰骨に引っ掛けるヒップハンギング。からのノータック。
膝から下は真っ直ぐに落として、1と1/2のクッション入れることで、ほのかなフレア、と言うかブーツカットというべきか、やや広がって見える。
足元の、少し重めのボリューム感。
エレガントでありながら、暗い影を残している。
初めて、僕がこのシルエットを見た時、頭を過ぎったのは、映画「ジョーカー」のアーサー。
彼の履いていたパンツにも似ていたが、なんというか、その佇まいから引き寄せられた。
あの美しい映像と、退廃的なアーサーのその姿。

チノパン:ジャストサイズ
対するこのチノパン。軍物から派生したこのアイテムは、アイビー系からの支持を得て、今に至る。
故に、太めのリラックスシルエットが多いが、こちらはどうか。否である。
パターンの構造も、一般的なチノとは違い、脇線にセルビッチが通せるようにほぼ真っ直ぐに線が引かれている。
いわゆるビンテージのGパンみたいな感じ。
(耳付きの生地を指定頂いた方には、前身頃脇の縫代にセルビッチを使います)
身体を無視したその構造ながら、いともスマートに着地させているこのパターンはなかなかニクい。
扁平なパターンなら、少しゆとりを持たせてごまかす所なのに、TS氏は何気なく、攻めた。
この今の時代のパンツでは、逃すところを、追った。
そんなこのパンツを、チノパンと呼んでいいのか。
いやもはやそんな事は、どうでもいい。
チノパン:2サイズアップ
はるか昔、PURPLE MAGAZINEっていうのがあったんだけど。
(名前あってるかな。。。それ、今もあるんだけれど、どうも当時と違うから本屋じゃ素通りしちゃう)
で、その当時、創刊から数年は激アツだったわけ。
今でも印象深く記憶に残ってるのは、ヘルムート=ラングの服を、リチャード=プリンスが撮ったやつ。
めちゃクールだった。
で、この2サイズアップは、そんな印象のやつ。
え、わかんない?説明になってないって?だよね(笑)

と、まぁ、つらつらと、私見を書いた。異論は認めない(笑)これはただの僕の思いだ。
TS氏の狙いどころなんぞ、知らぬ。知らぬわっ。
アートのように、美術史の流れを汲みながら、その芸術家の心象を捉えながら、その作品を味わい、理解するゲームも面白い。
けれどこんな風に、目の前に現れたシルエットを見て、僕なりの解釈を経て、それを僕がプレゼンテーションするというのは、コラボレーションブランドの形として、新しくもあり、非常に有意義で、且つ、楽しい。
ファッションは、なかなかに自由だ。