#83 Zouganista 望月貴文

Nov 16, 2017


1979年12月16日東京生まれ
2007年にフィレンツェに渡る
2008年よりアンティーク家具職人レナート=オリヴァストリに師事し、家具修復とともに、木象嵌細工の技術を学ぶ
2014年、フィレンツェのサンフレディアーノ地区に自身の木象嵌細工専門工房を開く


初めて彼のその工房を訪れた時、去年の9月頃だったか。望月さん、その巨軀でほんの数ミリいやそれ以下のコンマの、象嵌細工を繊細な糸ノコギリ用いて、ほんの少しづつ進めるその姿が、なんとも。そしてそのお人柄。ザ・ワールドが展開されていた。
物静かな口調なんだけど、なんというか、耳から脳に伝達されると、それが雄弁に感じ取れるっていうか、言葉以上に含まれてる何か、そんな感じ。わがっか?



僕は職人ではないから、本当の気持ちはわからないのかもしれないのだけれど、その技術の先に行こうとしている苦しみが、伝わる。
同じものを限りなくスピードを上げ、精度を上げ、生産する、それが職人さんの本懐とも言える。けれども、その先の、創造性っていうエッセンスが一滴でも意識の中に入り込むだけで、見える世界はまるで違う。混沌として、かつ荒涼とした世界と、孤独に立ち向かうこととなる。
異国の地で、しかも象嵌専門工房を始めた望月さんのその意思。
柔らかい物腰なんだけど、話してみるとなんとなくわかる気がするから、みんなもちょっと声掛けてみ。


で、これ、今回特別に作っていただいたマネークリップ。フルハンドメイド。本人手縫い。木のふくらみ、カーブ、ステッチ穴まで全て手作業。小さいアイテムなのにこの完成度。手に取ってみてください。その、手に馴染む感じとかちょっと不思議。
素材は革部分にクロコや、トスカーナといえば弊社でもお馴染みGUIDI社のカーフ。木の部分もいろんな種類が揃ってて、その組み合わせも自由だし、真鍮を使ったアルファベットを象嵌技術で埋め込んでくれる。
定価:¥51,000+税
クロコはプラス1万くらい。まだ決めてないけど。

望月さんめっちゃ背が高いから、僕は見上げてしゃべるんだけど、超名作ドラマ「恋ノチカラ」で、深津絵里が堤真一に話しかける時の気持ち、ちょっと分かった気がする。
わがっか?


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